予定配賦率や実際配賦率を微分積分すると何がわかるか

予定配賦率や実際配賦率を微分積分すると何がわかるか

次の関連記事では、加重平均資本コスト率(WACC)などを微分積分する話をしました。

【資料1:関連記事】ROEやWACCを微分積分するノウハウを持たずに何を語るべき

加重平均は、何もWACCの専売特許ではありません。

ほら、原価計算制度に、工程別原価計算というのがあるでしょう。

次の拙著では、累加法(累積法)による工程別原価計算を解説しています。

高田直芳の実践会計講座原価計算高田 直芳〔日本実業出版社

あの、東芝の会計不正事件では、工程別原価計算が悪用され、思わず「うまいっ!」と膝を打った話を、次の関連記事で解説しました。

【資料2:関連記事】在庫の「作り溜め」で逃げ切った人たちの高笑いが聞こえる

工程別原価計算というのは、工程ごとに予定配賦率(標準配賦率)を設定して、製品原価を積み上げていくものです。

例えば、第1工程の予定配賦率を@100円、第2工程の予定配賦率を@120円とします。

この設例の場合、全工程の予定配賦率の平均は、いかほどか。

まさか、@100円と@120円を足して2で割って「@110円だ」と答える人はいないでしょう。

小学生の算数ではあるまいし。

全工程の平均を求めるには、各工程の予定配賦率をもとにして、加重平均します。

ほら、ここにも現れた加重平均。

先ほどの設例で加重平均を行なうと、その予定配賦率は@109円になります。

@110円よりも、1円低い。

ということは、加重平均された予定配賦率を、微分積分する方法がある、ということになります。

工程が2つの場合は【資料1:関連記事】にある(1)式から(5)式までの展開を応用することによって、予定配賦率(標準配賦率)を、あっさり微分積分することができます。

ただし、【資料1:関連記事】にある(6)式とは似て非なる「配賦率に関する一般公式」が出現するので、しばし唖然。

これは一体、何を表わしているのだろう。

また、工程が3つともなると、俄然、難易度が上がる。

フェルマーの最終定理〔3以上の自然数 \(\displaystyle \large n \) について、\(\displaystyle \large x^n+y^n=z^n \) となる組 \(\displaystyle \large \left( x,y,z \right) \) は存在しない〕が関係しているのかな、と考えています。

学者ではないので、深く考えることまではしませんが。

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制作著作 高 田 直 芳税理士 公認会計士

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