空回りは忘却から
荷物は届いた。
予め買っておいたエクステンションバルブは何処かへ消えていた。
思考の片隅で断片的な映像が観える。
ボクは何処にしまったか思い出せないでいる。
箱を観たとき愛の欠如を感じたが気を取り直せないまま開封すると予測以上に落胆した。
持った時点でカチャカチャと金属が当たる音に恐れを感じた。
仕方ない。決めたのはボクだ。
全てが収まった仕切りのない箱から同時に頼んだ数点の小物もだしてリムテープをチェックする。
付属のリムテープはバラツキが大きかった事とボクが信頼するシュワルベの高圧対応リムテープを使うと決めていたので袋から出したら片割れだった。
空回りする時はこんなものだろう。
こんな時に最悪の事は起きる事が多いと思考の片隅で経験が言っている。
大事な部分や色な部分をチェックすると凸凹の部分もあり気落ちしたが、流れと言うものは時に抗えないと思わずには居られない心境を引き起こす。
兎に角、無事に機能してくれれば助かる。
これでジャンプは怖いかも。でも癖でしてしまうかもしれない。
さて、バランス取りを依頼するにしても組めないのでは話にならない。
それよりも家計から購入資金を出してくれた妻に申し訳ない気持ちが強い。熟慮に欠けていた。
日頃の些細なギャップもありボクは色な事を決断する締切が近い事にフリーズ寸前だ。
ボクは任せる事で何かから逃れていたのかもしれない。これはボクのスタンスから逸脱した状況だ。単純にボクが物忘れするようになったのかもしれないが、肝心な部分を忘却していては成す術もない。
さて、この這い上がる事もままならないテンションでもイベントで事故は出来ないので踏ん張るしかない。